研究室

大脳皮質発生研究チーム

チームリーダー
花嶋 かりな(Ph.D.)

大脳皮質ニューロンの個性と秩序を生み出すメカニズムを探る

大脳皮質は、中枢神経系の中でも極めて多様な種類のニューロンから構成されますが、これらのニューロンは視覚・聴覚・体性感覚などの情報を処理する個別の“領野”ごとに、6層の細胞層を修飾した高次の細胞構築をなしています。進化に伴う大脳皮質の肥大化は、皮質の厚さ(層の数)よりも表面積(領野の数)の増加に相関し、この結果、ヒトを含む霊長類では多数の領野をもつことで外界に対する高い感受性を獲得したと考えられています。では、この特徴的な脳構造はどのようにしてつくられるのでしょうか?当研究室では遺伝学的解析に優れたマウスをモデルシステムとして用い、多様なニューロンがどのような分子プログラムを経て生み出され、層や領野ごとに配置し、3次元のネットワークを形成していくのかを明らかにすることで、最終的にヒトの脳神経回路の構築原理を理解することを目指しています。

研究テーマ

1. 大脳皮質ニューロンの運命決定機構
2. 層特異的分化制御機構
3. 領野形成の外部入力依存性

Q:研究の道を選んだきっかけは何ですか?

A:小学生時代に読んだ本

Q:研究の最大の魅力は何ですか?

A:常に新しい発見をしなければならないこと

Q:研究以外の興味や趣味はありますか?

A:ダイビング、釣り、乗馬、写真など

研究室ホームページ

hanashima[at]cdb.riken.jp
[at]を@に変えてメールしてください

求人

大脳皮質の6層構造。表層から第1層(Reelin, シアン)第2/3層(Brn2, 赤)、第4層(RORß, 緑)、第5/6層(Ctip2, 青)のニューロンから構成されている。
Robo1受容体を発現抑制させた大脳皮質では、先に生まれたニューロン(緑)を後から生まれたニューロン(マゼンタ)が追い越せず、正常な「インサイド・アウト」パターンの層形成が行われない。
Foxg1 遺伝子欠損マウスの脳に Foxg1 と GFP を共導入(緑)すると、デフォルトの細胞(青)から深層ニューロン(Ctip2タンパク質発現細胞: 赤)が誘導され、大脳新皮質のプログラムが開始する。
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