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高次構造形成研究グループ
竹市 雅俊  Ph.D.



動物胚の組織は単細胞に解離することができる。ばらばらになった細胞は、見かけ上、無個性な感じを与えるものであるが、実際には驚くべき能力をもつ。特定の相手を認識しながら集まって、複雑な組織構造を再構築できるのである。私たちはこの細胞の特性に魅かれ、その分子的基盤を明らかにする研究を続けてきた。その結果、カドヘリン分子群を発見し、多細胞体を維持するための細胞間接着に必須であること、またその発現や機能の調節が癌細胞も含め種々の細胞の行動のために重要であること、などを明らかにした。最近では、カドヘリンが神経の連結のために働くことも明らかになり、研究は神経生物学にまで広がっている。

発生によって生まれた多種多様な細胞は、ダイナミックな形態形成運動によって刻々と再配置され、最終的に個々の細胞が特定の相手と結合し、組織特異的なパターンで配列される。最も精緻で複雑な組織は神経ネットワークであろう。現在、本研究グループは、これら一連の形態形成現象に興味をもち、それには細胞接着の制御システムが重要であると考えて、その解明を目指している。とくに、カドヘリン結合因子カテニン、それらと反応する他の細胞質因子、細胞骨格系、などによる接着制御の問題が研究の焦点である。また、そのような研究の発展として、神経間シナプス結合の形成・制御機構の解明にも取り組んでおり、ここでは、神経細胞間の認識、およびシナプスの活性調節におけるカドヘリン及び関連分子の役割を研究している。さらに、カドヘリンスーパーファミリーに属するプロトカドヘリンやFatカドヘリンの細胞間相互作用における役割を研究し、組織構築機構に関する新たな概念を生みだす努力をしている。以上の研究は、基礎生物学に限らず、癌転移、神経回路異常の原因究明、回路再生など医学分野にもおおいに貢献することが期待される。

 

















Select references

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